高額な商品や海外、インターネットでの買い物で非常に便利なクレジットカードですが、一般カードだけでなく、ゴールドカードやプラチナカードなど上位カードがあることは良く知られています。
上位カードは利用限度額が高額なだけでなく、充実したショッピング保険や旅行傷害保険、その他特典やサービスが付いていますが、年会費も一般カードより格段に高くなります。
上位カードを持つことは社会的ステータスの1つであると感じている人は多く、一般カードから上位カードに切り替える「グレードアップ」を希望する人もいます。
しかし、上位カードから一般カードに切り替える「グレードダウン」ができることは、あまり知られていません。
そこで今回は、クレジットカードの「グレードダウンに」ついて詳しく解説していきます。
- 上位カードを使いこなせていないのであれば、グレードダウンはアリ
- 年会費が抑えられる
- ポイントは引き継げる
- 審査はあるが、手続きはスムーズ
- 支払った年会費は返金されない
- カード番号の変更手続きが必要
ゴールドカードって持っている意味あるの?
クレジットカード会社は案内してくれなかったぞ!ちょっと詳しく教えてくれ!
これからグレードダウンについて詳しくみていこう。
クレジットカードのグレードダウンがお勧めの人
クレジットカードの上位カードは、一般カードと比べて利用限度額が高額に設定されていることが多くあります。
しかし、クレジットカードをあまり利用していないのであれば、高額に設定されている利用限度額も意味がありません。
また、クレジットカードは上位カードになる程、空港ラウンジの無料利用や高額の海外旅行保険、ショッピング保険の他、専用デスクが宿泊先や飲食店の手配をしてくれるなどサービスが充実しています。
上位カードは、よく国内、国外の旅行をする人にとってはメリットが大きいですが、旅行が好きではない人、転勤などの生活環境の変化で旅行をしなくなった人にとってはそこまでのメリットはありません。
むしろ、高額の年会費などデメリットの方を大きく感じることもあります。
従って、以下の項目に該当する人は、上位カードからのグレードダウンがお勧めの人と言えます。
それだけ年会費払うだから、しっかり使いこなさないともったいないよね。
グレードダウンの手続き
最近では、インターネットで申し込みが完結できるクレジットカードも多くありますが、グレードダウンのインターネットでの手続きは、殆どのクレジットカード会社でできません。
従って、電話か郵送でグレードダウンの手続きが必要です。
また、グレードダウンはクレジットカード会社にとってもマイナスですので、公式サイトに掲載していないこともあります。
まずはクレジットカード会社のカスタマーセンターに電話をして、グレードダウンを希望する旨を伝えてください。
クレジットカード会社によっては、電話で手続きが完了するところもあります。
グレードダウンできないクレジットカードもある
クレジットカード会社にとってもマイナスとなるグレードダウンであるため、取り扱っていないところもあります。
中には、グレードのアップ、ダウン共に扱っていないところもあります。
その場合は、一旦上位カードを解約し、再度新規申し込みをしなければなりません。
カスタマーセンターに電話をする際に、そもそもグレードダウンを取り扱っているか確認するようにして下さい。
その点もカスタマーセンターに相談すると良いよ。
グレードダウンの特徴
クレジットカードの上位カードを解約し、改めて一般カードを申し込む方法であれば、グレードダウンと同じ効果が得られますが、それぞれの特徴は以下の通りです。
/ | グレードダウン | 上位カードを解約 一般カードを申し込み |
---|---|---|
年会費 | ダウン | ダウン |
ポイント | 引き継げる | 引き継げない |
手続き | カスタマーセンターに電話、郵送で完了 | 解約手続きと申し込み手続きが必要 |
審査 | あり | あり |
国際ブランド | 変更不可 | 変更可能 |
国際ブランドを変える必要がなければ、グレードダウンの方がお勧めです。
そんなグレードダウンのメリットについて詳しく見ていきます。
年会費が下がる
グレードダウンによって年会費が下がる点は、一番のメリットと言っても過言ではありません。
一般カードの多くは年会費無料であるため、これまで支払っていた上位カードの年会費の分だけお得になることもあります。
上位カード | 年会費 |
---|---|
ゴールドカード | 無料~1万円程度 |
プラチナカード | 2~3万円程度 |
ブラックカード | 3~10万円程度 |
さらに上位カード | 10~40万円程度 |
もちろんグレードダウンすると、上位カードに付いていた特典やサービスが受けられなくなりますが、年会費以上に利用していないようであればグレードダウンする方がお得です。
あと、空港ラウンジの無料利用やホテル、レストランの割引などがあるね。
上位カード解約、一般カード申し込みよりも手続きがスムーズ
上位カードを解約し、一般カードを申し込む場合はそれぞれ手続きする必要があるため、面倒に感じる人もいると思います。
一方グレードダウンは、カード裏面に記載されているカスタマーセンターに電話するだけで完結することもあります。
クレジットカード会社によってはその後書類の提出が必要な場合がありますが、いずれにしてもスムーズに手続きできます。
また、上位カードを解約、一般カードを申し込む場合は、通常の審査があります。
グレードダウンでも審査はありますが、通常の審査と比べると簡略化しているクレジットカード会社も多く、上位カードの利用中に延滞等していなければ問題ありません。
ポイントが引き継げる
グレードダウンの場合、上位カードで貯めたポイントをそのまま引き継げるクレジットカード会社が殆どです。
一方で、上位カードを解約、一般カードを申し込む場合は、ポイントは一旦リセットされます。
ポイント目当てに公共料金や携帯電話代、生命保険料などをクレジットカードで支払っている人にとっては、ポイントが引き継げるかどうかは非常に重要であり、貯まったポイントが惜しくて上位カードの解約をためらっている人もいると思います。
その点、グレードダウンであれば、ポイントは引き継げますから安心です。
一般カードになるとポイント還元率は下がるんだよな・・・。
やっぱりグレードダウン止めようかな。
残念ながら一般カードになるとポイント還元率は下がるけど、グレードダウンした方がお得なこともあるよ。
100ポイントアップするからお得に感じるけど、その上位カードの年会費が30,000円である場合、30,000円払って100ポイント買っているのと同じになるよね。
実際はクレジットカードと利用する店舗によって還元率は、場合によっては上位カードを持っていた方がお得なケースもあるんだ。
グレードダウンの手続き前に、計算した方が良いね。
払い済みの年会費は返金されない
クレジットカードを解約した場合、支払った年会費のうち未経過部分があったとしても返金されません。
例えば9月に年会費を支払い、10月に解約しても11月から翌年8月までの分は返金されません。
支払った年会費が返金されないのは、グレードダウンの場合も同じです。
しかもグレードダウンの場合、返金されないのは上位カードの年会費ですから、高額です。
年会費を支払った直後にグレードダウンすると非常にもったいないですので、手続きの前に年会費が落ちるタイミングを確認しておくことをお勧めします。
なお、一部のクレジットカード会社では、年会費を月割りで返金してくれるところもあります。
グレードダウンの手続きを申し出る際に、返金があるのか確認するようにしましょう。
あまり早すぎると、一般カードの年会費をすぐに負担しなければならないことがあるし、遅すぎると事務処理の関係で年会費が引き落とされることがあるからね。
2~3ヵ月前だと残り期間も長くないし、事務処理の時間も確保されているから、ベストなタイミングと言えるね。
カード番号が変わるため、変更手続きが必要
グレードダウンの場合も、上位カードを解約、一般カードを申し込む場合と同様に、カード番号が変更されます。
公共料金や携帯電話代、生命保険料など毎月の請求をクレジットカードで支払っている場合、一般カードでの支払いに自動的に変更されることはありません。
全ての支払先に対して、カード番号の変更手続きが必要です。
公共料金や生命保険料などは、手続きに手間取っても、利用停止までに1~2ヵ月程度の猶予があるため問題ありませんが、携帯電話料金の中に端末の分割払いが含まれている場合、個人信用情報機関に延滞として登録される可能性があります。
スムーズに変更手続きを完了させるためにも、連絡すべき先、及び変更完了までに支払いがある場合の対処法など聞いておくべき項目をリストアップしておくことをお勧めします。
それよりも携帯電話料金の端末の分割払いのように、手続き忘れて延滞が個人信用情報機関に登録されてしまうと、他の借り入れにも影響が出てしまうから、絶対忘れてはいけないよ。
カード番号の変更手続きが完了するまでの支払方法を確認しておいた方が良いね。
グレードダウンでは国際ブランドの変更はできない
上位カードを解約、一般カードを申し込む場合、国際ブランドを変更できますが、グレードダウンの場合は変更できません。
上位カードと同じ国際ブランドでのグレードダウンとなります。
国際ブランドにはこだわっていない人にとってはデメリットではありませんが、この機会に他の国際ブランドに切り替えたい人はグレードダウンではなく、上位カード解約、一般カードを申し込みましょう。
家族カードやETCカードの取り扱いはクレジットカード会社で違う
家族カードやETCカードなど、追加で発行したカードの取り扱いは、クレジットカード会社によって違いがあります。
家族カードは再発行の手続きが必要ですが、ETCカードは引き継げるケースもあります。
どのような取り扱いとなっているのかは、グレードダウンを伝える際に尋ねるようにして下さい。
効率よく利用するために積極的にグレードダウンの手続きを
ゴールドカードやプラチナカードなど上位カードは、持つこと自体がステータスの1つであるだけでなく、様々な特典やサービスが付いており非常にメリットの多いクレジットカードです。
しかし、これらの特典やサービスを利用していないのであれば、高額の年会費も無駄となってしまいます。
もし、上位カードを使いこなせていないのであれば、効率良くクレジットカードを利用するためにも、積極的にグレードダウンして下さい。
その際は、カード番号の変更手続き等漏れがないようにしましょう。