クレジットカードを破棄したいけど、「どんな手順で捨てればよいかわからない」という方もいるでしょう。
実際、クレジットカードを手放すときにその情報が他者に読み取られないか心配で、つい捨てられずに自宅に放置していることも珍しくありません。
あまりリスクを考えずに不用意にカードをそのまま捨ててしまうなどして、無自覚にリスクの高い行為をしていることもあります。
今回の記事では、クレジットカードの破棄手順やごみの分別、捨てるときの注意点などについて解説します。
クレジットカードの破棄には慎重さが必要な理由
クレジットカードを破棄することは、普通のプラごみを捨てるのとは大きく異なり、細心の注意を払う必要があります。
他者に情報を読み取られるリスクを避け、確実にカードを破棄できることが理想です。
しかし、下手に捨てると悪意を持った第三者に盗まれて不正利用のきっかけとなってしまいます。
何の処理もせずに捨てるリスク
クレジットカードには必ず有効期限というものがあり、契約を更新して新しいカードが来たら、前のカードは捨てるのが一般的です。
しかし、クレジットカードを何の処理もせずに捨ててしまうのはとてもリスクが高い行為です。
なぜなら、クレジットカードは個人情報や決済情報の塊であり、下手をすれば情報をスキミングされたり、不正利用されて思わぬ損失を受ける事があるためです。
中でも以下の情報はとても重要であり、それが第三者に渡ることはさまざまな危険性が伴うのです。
それは解約した後のカードであっても同じです。
重要な情報
- 名前
- クレジットカードのカード番号
- セキュリティコード
- ICチップや磁気の中身
確かにクレジットカードは解約や有効期限切れでは使うことができませんが、それは使用して決済を済ませようとした場合にのみ当てはまることです。
直接、クレジットカードから金銭的な抜き取りを行うのではなく、犯罪などに利用されるケースやカード番号自体を悪用して何かを契約したり登録したりすることはできるため、期限切れや解約済みのどんなクレジットカードであったとしても、破棄方法はきちんと処理を施して、他者に読み取られないように工夫する必要があります。
ハサミやカッターを使用する
クレジットカードの破棄前に処理を施すといっても一般の人に専門的な処理を施すことは難しいものです。
そこで、単純で効果的なのがカードそのものを情報が読み取れないくらいに裁断することです。
裁断にはハサミやカッターを使うのが有効です。
自分の意志で好きなようにカットできるため、重要情報の部分は念入りにカットするなどの差をつけることができ、誰でもこれらの裁断用道具を持っているため、特別に費用をかけてお店から購入して用意する必要もありません。
しかもクレジットカードの素材は基本プラスチックでできているため、裁断そのものが難しいということはないのです。
もちろん、紙を切るよりは少し硬いため、手を切らないように注意を払う必要はありますが、それさえ守れば処理方法として簡単な部類に入ります。
カッターを使用する場合は裏が切れないように土台などを置いて裁断する必要があるでしょう。
シュレッダーでは不十分な理由
クレジットカードの破棄には確かに裁断が有効ですが、手間のかからないシュレッダーを使用する方もいます。
ところが、クレジットカードの裁断にカード専用のシュレッダーを使用するのは方法として不十分です。
理由は、シュレッダーは規則正しくカットして、断面まで精密であるということです。
ようするに、破片をつなぎ合わせれば復元が可能という点です。
ICチップ・磁気部分に気をつける
クレジットカードには目で見てわかるカード情報の他に、ICチップ・磁気部分が存在します。
そこに電子的な情報が書き込まれており、それを専用の機器で読み取ってカード情報を処理します。
クレジットカードの破棄方法として裁断したは良いが、ICチップ・磁気部分を処理していないケースもあり、それは「情報を読み取ってくれ」と相手に伝えているのと同じことです。
したがって、カード情報の重要部分は記載されているカード番号同様に入念に細分化して情報を読み取れなくしておくことです。
磁気部分はカットさえしてしまえば読み取れなくなるため、あえて全体に傷をつけて修復不可能にするという手間を取る必要もないでしょう。
クレジットカードの分別は自治体ごとに違う
ごみの分別は住む地域・自治体による
クレジットカードは裁断後に捨てますが、その捨てる方法にもルールがあり、それは自治体によって大きく異なります。
例えば、ビニールごみ1つ取っても燃えるごみかプラスチックごみかは住んでいる地域によって差が出てくるのです。
先にも述べたように、クレジットカードはプラスチックでできており、分別としてはビニールやプラスチックのごみと同じ扱いがされます。
つまり、クレジットカードをごみに出そうとしたとき、その自治体でビニールやプラスチックのごみをどのように分別するのか、そのルールに従って出すというわけです。
たいていは、自治体がごみの分別としてホームページや回覧板、張り紙などで分別の細かい分類を提示しています。
それを確認してクレジットカードがどの分別か事前に確認しておくことが重要です。
クレジットカードを燃えるごみに出す場合
自治体の分別でクレジットカードを燃えるごみに出す場合は、週に2回ほどある捨てるタイミングに合わせます。
燃えるごみを出す日程は自治体で決められているため、単身赴任や転居などで居住地域が変わる場合には特に出し方には注意しましょう。
クレジットカードを燃えるごみで出す場合、曜日を間違えて出すとごみが回収されず、出した袋を漁られたり、動物により散乱したりといった危険があります。
特に燃えるごみは生ごみや食品などを一緒に捨てる人も多く、カラスや猫の被害が出ることも珍しくありません。
ごみに出したはずのクレジットカードが「周囲に散乱して放置されている」といったこともありえるのです。
また、燃えるごみは柔らかくて硬いごみが少なく、クレジットカードの破片をそのまま出してしまうと袋が破れて中身が飛び出す危険性があります。
そのため、柔らかい布や新聞で包んで袋が破れないように配慮すると良いでしょう。
プラスチック(プラ容器包装)ごみに捨てる場合
燃えるごみとは別に、プラスチック(プラ容器包装)ごみで捨てる場合は、中にクレジットカードの破片が入っていることを外からわからないように隠して捨てる必要があります。
特にプラスチックごみは透明な容器が多く、袋も透明なことから中が見えやすく、クレジットカードが入っていることを目ざとく察知されることがあります。
悪意を持ってクレジットカードの残骸を奪われれば、復元して悪用されかねません。
できることなら白い袋などに入れて外から見えないようにするなどします。
捨て方としてはCD・DVDと同じ要領ですが、外から見られてはいけないという点でもう一歩強めの対策を施しましょう。
クレジットカードを破棄する手順を解説
使用不能・解約済みクレジットカードを用意する
クレジットカードを破棄する場合は、まず破棄できるクレジットカードの用意が必要です。
それには、クレジットカードを解約するか、有効期限切れのものなります。
特に他の期限が有効な別のクレジットカードを間違って捨ててしまうと、後で取り戻すことはできません。
磁気部分に磁石を当てる・ICチップの破壊
クレジットカードを捨てるときにいきなりハサミでの裁断に入るのではなく、まずは磁気部分を破壊します。
これにはいくつか方法がありますが、裏についている黒い磁気ストライプは、磁石などをくっつけて中の電子情報を破損させます。
稀に、使用中のカードと磁石を接触させてしまい使い物にならなくなるように、磁気の強いものに当てると情報が壊れる仕組みを逆手に取る形です。
ICチップで読み取りをするカードの場合は、チップを取り外して破壊します。
布などに挟みハンマーで叩けば復元不可能な破壊は簡単です。
ハサミやカッターで裁断
内部情報の破壊ができたら、今度はハサミやカッターを使って不規則に細分化します。
特に番号やコード、名前などは読み取れないように徹底的にです。
シュレッダーを使っても良いですが、2~3片程度の軽いシンプルなカットではなく、高性能で細切れにできるようなものだけ使います。
そのうえで、磁気部分は入念にカットしておくことで情報が残っていた場合のリスクを減らします。
ハサミで切る場合はどのようにカットするのか、アウトラインを決めてからにしましょう。
真ん中から数回だけ切れ込みを入れるのではなく、情報を再現できないようにカットする仕方のほうがリスクが軽減されます。
複数に分けてごみ袋に入れる
カードの裁断が完了したら、後は自治体指定のごみ袋に入れます。
そのとき、外からわからないように紙袋などに入れるか新聞紙で包むなどして処理を施すことで外からクレジットカードを捨てているとわからないようにします。
ただし、捨てる場合は必ず一箇所でまとめて捨てるのではなく、同じカードの半分は別の日に出しましょう。
もし、ごみ袋を盗まれたり漁られたりしても、クレジットカードが1枚分そろっていなければ情報を完全に復元されることはありません。
決められたごみ出しの日に出す
ごみ袋に入れたら後は指定の曜日に捨てます。
早すぎても遅すぎてもごみ袋が放置されることになるため、できるだけ朝の時間帯に捨てるのがおすすめです。
夜間にごみを漁る不審者は決して珍しくないため、前日の夜などに捨てるということはないようにしましょう。
クレジットカードを破棄するときの注意点
裁断で細分化する
クレジットカードを破棄するときの最大の注意点は、カードを細かくして捨てることです。
物理的に細かくすることで、復元を難しくするだけでなく、磁気情報などもたいてい破壊することができます。
数片だけ裁断する方法は情報が読み取れるまで復元されるだけでなく、カードをテープなどで固定してカードそのものをもとに戻せる可能性が高まります。
不正利用の防止という観点からも細かくする方法は有効です。
そして、細かいほど、その元になった破片がクレジットカードとは気づかれにくくします。
結局の所、クレジットカードを捨てたことさえわからなければ、盗まれるリスクも減るのです。
まとめて捨てない
手順のところでも少し述べたように、クレジットカードを捨てるためのごみの出し方は、複数回に分けることが有効です。
一度に出したときに万が一ごみ袋を漁られてもすべてのパーツが手に入らなければ復元はできないという寸法です。
しかし、それ以上にそういった重要情報を気軽に捨てないというスタンスは、クレジットカードの明細書や他の個人情報を含む文書などにも影響してくるため、本人のガード意識が高まります。
使えるカードを間違って処分しない
クレジットカードは、使用できるものを間違って捨ててしまった場合、新しいカードの用意が必要となり、それでいて、使っているカードの番号などは取り替えなければならなくなります。
使用可能な状態のままにしておくと不正利用ができてしまうためです。
可能性は低くても、何か自分の知らない経路でクレジットカードの情報がそのごみから流出して悪用される確率も0ではないからです。
そのため、破棄手順の最初に、必ず使用できないクレジットカードかを最終確認する必要があるのです。
クレジットカードの破棄手順を押さえよう
今回は、クレジットカードの破棄手順について簡単に紹介しました。
クレジットカードは個人情報の塊であり、特に前払いの高額決済として使えるカード機能は、他のポイントカードやマネーカードとは一線を画します。
そのため、捨てるときは裁断して、まとめて捨てないなど、細心の注意を払って破棄することが求められます。
また、ごみの分別にも注意して、出す曜日や指定の袋などを確認したうえで、情報が抜き取られたり、物理的に盗まれたりしないように対策をしっかりとしましょう。