ICチップ付きクレジットカードの特徴を解説|ICチップなしとの違い

クレジットカード ICチップ

ライター:こうじ

最近のクレジットカードの表面には金色や銀色の金属端子がついていますが、何のためにあるのか不思議に思っている人も多いと思います。

これはICチップと言って、決済する際に必要なカード情報が登録されています。

ICチップ付きクレジットカードは今や世界での主流であり、従来のICチップのないクレジットカードが使えない国も多くあります。

この記事では、ICチップ付きクレジットカードについて詳しく解説していきます。

この記事で分かる事
  • 従来のクレジットカードが持つ3つの問題点
  • ICチップクレジットカードへの切り替えは義務化されていた
  • ICチップ付きクレジットカードの5つの特徴
  • ICチップって、今までのクレジットカードの裏面に付いていた茶色の部分の代わりってことか。
    そうそう、磁気ストライプの代わりだね。カード情報が登録されているんだよ。電子マネーなどでもICチップは使われているんだよ?
    え?電子マネーにも?電子マネーはICチップ付きクレジットカードと違って、決済端末にかざすだけだぜ?
    そうそう。ICチップのタイプが違うんだ。クレジットカードに付いている接触型ICチップは、決済端末に挿入して利用するタイプ、電子マネーの場合は非接触型ICチップと言ってかざして読み取るタイプになるんだ。これから接触型ICチップ付きクレジットカードについて詳しくみていこう。

    今後はICチップありのクレジットカードが導入された理由と経緯

    現在、更新などで送られてくるクレジットカードは、全てICチップ付きのクレジットカードとなっており、今後は従来の磁気ストライプのクレジットカードは使用できなくなります。

    では、なぜこのタイミングでICチップ付きのクレジットカードへの切り替えが行われているのでしょうか

    その理由や経緯を詳しく解説していきます。

    今まで何の問題もなく利用していたのに、ICチップ付きのクレジットカードになぜ変えなきゃならないんだ?
    インターネット通販などの普及で、クレジットカード利用が増える一方で、様々な問題も起きていたんだ。その問題解消のために開発されたのが、ICチップ付きクレジットカード。先ずは、ICチップ付きクレジットカードができた背景から説明しよう。

    従来の磁気ストライプのクレジットカードが抱えていた問題点

    従来の磁気ストライプのクレジットカードが抱えていた問題点
    従来の磁気ストライプのクレジットカードには大きくは3つの問題点がありました。

    磁気不良が起きやすく、起きた場合はクレジットカードの再発行が必要な場合も

    ちゃんと遅れることなく支払いをしているにも関わらず、磁気ストライプのクレジットカードが突然使えなくなった経験がある人もいると思います。

    これは、磁気ストライプが携帯電話やパソコン、他のキャッシュカードやクレジットカードの磁気の影響を受けたため、磁気不良を起こしたためです。

    従来の磁気ストライプのクレジットカードは、一度磁気不良を起こしてしまうとクレジットカードの再発行の手続きをしなければならないこともある上、その間は利用できないなど問題がありました。

    (図解)従来の磁気カードの問題

    会計時にサインが必要

    サインレス決済を導入していない店舗で従来の磁気ストライプのクレジットカードを利用した場合、サインが必要です。

    ちょっとした手間ですが、他人からもサインを見られてしまうリスクもあるなど、潜在的な問題もありました。

    スキミング、偽造カードなど不正利用の可能性あり

    従来のクレジットカードは、磁気ストライプの部分にカード情報が登録されており、利用の際は決済端末にクレジットカードをスライドさせることで情報を引き出し、その情報をクレジットカード会社に転送する簡単な仕組みでした。

    しかし、簡単な仕組みであるため、スキマーという機器を近づけるだけで、クレジットカード情報を盗み、不正利用される「スキミング被害」が多発しました。

    一方で、偽造カードによる不正利用も発生しているなど、従来のクレジットカードではセキュリティ面に問題がありました。

    従来のクレジットカードには問題があったんだな。どこがICチップ付きクレジットカードを開発したんだ?
    1993年にクレジットカード会社の大手であるEuropay、Mastercard、VISAの3社が、ICカードの共通仕様開発に合意し、ICチップ付きクレジットカードの開発に着手したんだ。

    ICチップ付きクレジットカードへの導入は義務化されていた

    ICチップ付きクレジットカードへの導入は義務化されていた
    従来のクレジットカードの持つ問題点を解消すべく開発されたICチップ付きクレジットカードカードですが、当初は切り替えコストの面などでなかなか普及は進みませんでした。

    しかし、アメリカやヨーロッパでは政府の後押しもあり、現在ではICチップ付きクレジットカードの普及率は100%近くまでなっています。

    一方日本でも、

    1. クレジットカード加盟店に対しICチップ付きクレジットカード対応を義務付ける改正割賦販売法が2016年に成立
    2. 改正割賦販売法が2018年に施行
    3. 東京オリンピックが開催される予定であった2020年までに対応完了

    を目指していました。

    その結果、2019年12月末時点でクレジットカードの総発行枚数の95.1%がICチップ付きクレジットカードとなりました。

    2020年までに対応完了を目標としていたのは、東京オリンピックを意識してのことなのか?
    その通り!東京オリンピックで海外からの観光客も増える見込みだったからね。コロナウィルスの影響で延期になっちゃったし、観光客も殆ど来られなかったけどね・・・。

    ICチップ付きクレジットカードの普及していない国も

    アメリカやヨーロッパから始まったICチップ付きクレジットカードですが、日本も含め中国や韓国などの先進国では、従来のクレジットカードが使用できない店舗が増えてきています。

    一方で、南米やアフリカなどの後進国ではICチップ付きクレジットカード自体も普及しておらず、従来の磁気ストライプのクレジットカードでしか買い物できないことも多いようです。

    もし海外に行く場合は、どちらのクレジットカードが使えるのか事前に確認しておくことをお勧めします。

    世界的にはICチップ付きクレジットカードの普及率はまだまだ低いみたいだな。
    そうだね。ただセキュリティ面では圧倒的にICチップ付きクレジットカードが優れているから、今は従来のクレジットカードしか使えない国もいずれICチップ付きクレジットカードに切り替わるはずだよ。

    ICチップなしとICチップ付きクレジットカードの見分け方

    ICチップなしとICチップ付きクレジットカードは、クレジットカードの表面と決済端末の読み取り方で見分けがつきます。

    ICチップなしとICチップ付きクレジットカードの見分け方

    • クレジットカードの表面に金色や銀色の金属端子がついているものがICチップ付きクレジットカード
    • 金属端子がなく、裏面に磁気ストライプがついているものが、ICチップなしのクレジットカード

    非接触型ICチップ付きのクレジットカードはありません。

    一方で、決済端末の読み取り方での見分け方は、以下の通りです。

    • カードリーダーに差し込むタイプの場合、ICチップ付きクレジットカード
    • カードリーダーをスライドさせるタイプの場合、ICチップなしのクレジットカード

    言い方を変えると、店舗などにどちらの端末がおいてあるかで、対応できるクレジットカードがわかります。

    (図解)ICチップなしとICチップ付きクレジットカードの見分け方

    ICチップ付きクレジットカードの特徴

    ICチップ付きクレジットカードの特徴
    従来の磁気ストライプのクレジットカードが抱えていた問題を解消するために開発されたICチップ付きクレジットカードには、様々な特徴があります。

    これから1つずつ詳しく解説していきます。

    スキミング、偽造対策でセキュリティ面を強化

    従来の磁気ストライプのクレジットカードの最大の問題は、瞬時にカード情報を盗み取れるスキミングや偽造カードによる不正利用でした。

    そこで、ICチップ付きクレジットカードではセキュリティ面を強化しています。

    スキミング対策として、従来のクレジットカードで磁気ストライプ部分に登録されていたカード情報を、ICチップ内に分割して格納しています。

    また偽造対策として、認証プロセスを組み込んでいます。

    認証プロセスでは、ICチップ付きクレジットカードを決済端末に通した際、偽造カードではないか認証を行うだけでなく、クレジットカード会社とも取引ごとに認証を行っています。

    クレジットカード会社との認証は、暗号化されているため認証情報が盗みづらく、万が一盗まれたとしても他の取引では使えないようになっています。

    従って、ICチップ付きクレジットカードでは、スキミングや偽造カードによる不正利用されにくい仕様となっています。

    ICチップ内にカード情報が入っていることはわかっているから、そこを狙って盗む輩がいるんじゃない?
    確かにそういう輩もいるだろうね。でも、従来の磁気ストライプと比べICチップ内には膨大な情報が入っているため、カード情報を簡単には抜き取れないようになっているんだよ。

    暗証番号で本人確認、セキュリティ強化とともに決済スピードも改善

    暗証番号で本人確認、セキュリティ強化とともに決済スピードも改善
    従来の磁気ストライプのクレジットカードでは、本人確認のためにサインが必要でした。

    サインの手間が必要な上に、カード裏面のサインを真似てしまえば誰でも本人になりすますことができるためセキュリティ面も弱いという特徴がありました。

    そこでICチップ付きのクレジットカードでは、暗証番号入力で本人確認することとし、セキュリティ面の強化と決済スピードも改善されています。

    スキミングや偽造カード、本人なりすましなど、クレジットカードの不正利用に巻き込まれた場合、補償を受けられることもありますが、本人以外が知り得ない情報である暗証番号漏洩による場合は補償の対象とならない可能性が高いです。

    暗証番号は、誕生日や推定しやすい番号以外を設定するなど、対策を取っておいてください。

    サインと暗証番号だと所要時間はそんなに変わらないんじゃないの?
    確かに何秒かの違いなんだろうけど、暗証番号の方がペンも不要だし簡単だよね。しかもセキュリティ面も強化されるんだから。

    磁気不良が起きにくい

    従来の磁気ストライプのクレジットカードでは、磁気不良が起きてしまうと再発行しなければならないケースもあり、その場合手続きが完了するまで利用できないデメリットがありました。

    磁気不良は、決済する際にわかることが多いため、レジ前で焦った経験がある人も多いと思います。

    その点、ICチップ付きクレジットカードは、磁気の影響を受けにくいため、磁気不良の心配は殆どありません。

    ICチップ付きクレジットカードでも、磁気ストライプがついているものもあるよな?
    そうだね。最近のクレジットカードはICチップ付きでも裏面に磁気ストライプが付いているものも多く、従来のクレジットカード同様磁気不良には気をつけないといけないんだ。

    ICチップはホコリや汚れ、傷に弱い

    磁気には強いICチップも、ホコリや汚れ、傷には弱いという特徴があり、これらがあると読み取りエラーを起きることがあります。

    中でもカード利用時に皮脂の汚れが付きやすいため、ティッシュやメガネ拭き等の柔らかい布で表面を拭き取るときれいになります。

    その際は、ICチップを傷つけないようにやさしく拭き取るようにして下さい。

    ICチップ付きクレジットカードを誤って洗濯してしまったんだけど、大丈夫?
    ICチップは水濡れにも強いんだけど、洗濯となると傷ついている可能性があるね。クレジットカード会社のカスタマーサービスに連絡した方がいいね。

    スキミングのリスクはゼロではない

    ICチップ付きのクレジットカードによりスキミングのリスクは大幅に低下しましたが、ゼロになるわけではありません。

    ICチップに登録されているカード情報が膨大であり、分割して保存してあるため、抜き取るにはカード決済の時間では短すぎるというだけです。

    従来の磁気ストライプのクレジットカードでスキミング被害が起きたように、将来ICチップ付きクレジットカードでもスキミング被害が起こる可能性は十分にあります

    ICチップ付きのクレジットカードのセキュリティを過信することなく、しっかりと管理をしておきましょう。

    ICチップ付きクレジットカードでも不正利用に巻き込まれた場合

    ICチップ付きクレジットカードでも不正利用に巻き込まれた場合
    セキュリティを強化したICチップ付きクレジットカードでも、不正利用に巻き込まれることはあります。

    これから不正利用に巻き込まれないための防止法と、万が一不正利用にあった場合の対処法について解説していきます。

    セキュリティ強化したのに、不正利用に巻き込まれることがあるのか?
    残念ながら可能性はゼロじゃないんだ。そのためにも不正利用に巻き込まれないような防止法と対処法はしっかりと理解しておこう。

    暗証番号の設定、管理は厳重に

    ICチップ付きクレジットカードの場合、暗証番号が他人に知られなければ不正利用に巻き込まれることはまずありません

    従って、暗証番号の取り扱いには十分注意しましょう。

    誕生日や電話番号など特定しやすい暗証番号を設定することは避け、暗証番号のメモなどをクレジットカード同じ場所に保管しないようにして下さい。

    当然ですが、暗証番号を他人に教えることは厳禁です。

    身に覚えのないメールは対応しないこと

    最近では、インターネット通販などでクレジットカードを利用することも増えており、それに伴い詐欺メールによる被害も相次いでいます。

    特に実在の銀行やクレジットカード会社、ショッピングサイトを騙り、本物そっくりの偽物のサイトに誘導し、口座番号やクレジットカード情報などの個人情報を盗み取るフィッシング詐欺が急増しています

    くれぐれも身に覚えのないメールは対応しないようにして下さい。

    フィッシング詐欺のメールって、実際に利用している銀行などから来ていると「あれ?そうなの?」ってつい信じてしまうんだよな。何かいい防止法ってないの?
    そうだね。実際に利用していると、フィッシング詐欺なのか本物か見分けがつかないこともあるだろうね。そういう時でも絶対にメールに添付されているURLを利用しないで、googleなどで検索した公式サイトからログインするようにしよう。

    不正利用の被害補償対象外となるケースも|推定しやすい暗証番号は厳禁

    不正利用の被害補償対象外となるケースも|推定しやすい暗証番号は厳禁
    クレジットカード会社では、不正利用に巻き込まれた場合、所定の手続きを取ることで被害額を補償してもらえます。

    ただし、クレジットカード会社に過失がないことを証明しなければなりません。

    例えば、以下のような場合に補償対象かどうかが変わってきます。

    不正利用の被害補償対象と対象外となるケース
    • スキミングによる不正利用に巻き込まれた場合は、利用者の過失がないため、補償対象
    • ICチップ付きクレジットカード、運転免許証が入った財布を紛失し、誕生日を暗証番号に設定していたため不正利用に巻き込まれてしまった場合は、補償の対象とならない

    暗証番号を他人に教えるなど管理がずさんであった場合、推定しやすい暗証番号に設定していた場合は補償されないことがありますので、暗証番号の管理には十分注意しましょう。

    セキュリティ強化されたICチップ付きクレジットカードでも管理は適切に

    ICチップ付きクレジットカードが導入されたことで、随分とセキュリティ面が強化され、使い勝手が良くなりましたが、それでもスキミングやフィッシング詐欺など不正利用に巻き込まれる可能性がなくなったとは言えません。

    暗証番号は厳重に管理し、安全な状態でり利用するようにして下さい。