一枚くらいなくしても、わからないかもな。
クレジットカードは本体を盗まれたら一大事だ。
そしてクレジットカードを盗まれなくても、スキミングやネットショッピングサイトの情報漏洩などで個人のカード番号などの情報を盗まれたら、とてもまずいことになる。
どんどん便利になっているクレジットカード業界。
キャッシュレス・ポイント還元事業(2020年6月30日終了)や、ICチップが埋め込まれたクレジットカードの普及でサインレスで会計が可能な店舗が爆発的に増えたことから、クレジットカードを利用する側から見ても、店舗側から見ても、垣根はグッと下がりました。
最近では、「現金を持たない」と明言している“ホリエモン”こと堀江貴文さんや松本人志さんのように、現金をほとんど持たずに外出する人もかなり増えたことでしょう。
そうなると、気になってくるのがクレジットカードへの依存。
そして、管理がずさんになってくることです。
以前は使うたびにレシートを保存して、チェックして…と、しっかり管理をしていたのに、今では明細に目を通すこともなくなってしまった…。
上記のような方は多いのではないでしょうか。
クレジットカードが使いやすくなるのと比例して増えているのが、盗難被害やスキミングの被害です。
この記事では、クレジットカードを盗難された場合に起こる被害やスキミングの手口、そしてどうやって盗難やスキミングから自分を守っていくか、について解説していきます。
クレジットカードが盗難にあってしまう原因トップ3
まず、クレジットカード本体を失くしてしまうケースについてです。
一般社団法人・日本クレジット協会が2018年に発表した「クレジットカードが盗まれる場所」によると、下記の3つでよくクレジットカードが盗まれるとのことです。
①電車の中
電車の中で深く眠り込んだ隙に、財布からカードを盗む手口です。
お酒を飲んだ帰りなどは特に要注意です。
②飲食店
飲食店などで、椅子などに掛けた上着のポケットの中から盗む手口です。
自分の椅子の背だけでなく、壁のフックなど、目の届かないところに財布を入れた上着を置くのは危険です。
③駐車場
駐車場などで、車の中においたままの財布から盗む手口です。
車の中は決して安全ではありません。
https://www.j-credit.or.jp/customer/attention/beware_of_theft.html
クレジットカードを盗まれる場所=財布を盗まれやすい場所、ということですね。
また、最近は現金を持ち歩かず、カードケースのみで行動する方も多いでしょう。
ズボンのポケットに直接入れている方は、上記の場所以外でもつねにスリに遭う確率が高いです。
充分に用心しましょう。
なんとなくテーブルに出しておいたカードケースに入っているクレジットカードが丸見えで、それをこっそりスマホのカメラなどで撮られることもあります。
日本で購入できるスマホのカメラはシャッター音が消せないようになっていますが、音消しアプリもたくさん出ています。
気がつかないようにシャッターを押すことは充分に可能です。
最近は、隠しポケットがあるものも多く出ていますから、そういったものもチェックしてみるといいですね。
クレジットカードが盗難にあうとこういうことになる?実際にあったケースを紹介
仮に、クレジットカードを盗んだとして、盗難したクレジットカードはどのように利用されるのでしょうか。
いくつかのケースを紹介します。
不正利用する
最近、盗んだクレジットカード情報を使って不正利用し、それがバレて学生が逮捕された事件がありました。
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他人のカード情報で航空券購入、友人と旅行繰り返す 高2少年逮捕
不正に入手したクレジットカード情報を使い航空券を購入したとして、警視庁組織犯罪対策特別捜査隊は電子計算機使用詐欺の疑いで、横浜市の私立高校2年の少年(16)を逮捕した。
少年は「80くらいカード情報を盗んだ」と供述しており、被害総額は1千万円以上になるとみられるという。
組特隊によると、少年はアルバイト先のスーパーで客が使用したクレジットカード情報を売上票などから入手。
昨年11から今年2月にかけて約80の航空券を予約し、友人らとの旅行で使っていた。
テーマパークやホテルなどでもカード情報を使い、不正利用していたとみられる。
逮捕容疑は1月17日、航空券予約サイトで不正に入手したクレジットカード情報を使い、航空券4枚分の計約14万6千円を決済したとしている。
カード会社から連絡を受けた航空会社が警視庁に相談していた。
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https://www.sankei.com/affairs/news/200519/afr2005190009-n1.html
上記のように高額決済する場合のクレジットカード利用には、セキュリティコード(CVV・CVC・CID)が必要なはずですが、どういう手口で不正利用したのかは記載されていないので不明です。
この事件の悪質なところは、スーパーの従業員の立場を利用して、売上票からクレジットカード情報を盗んだこと。
こういったケースも多くはありませんが確実に存在するので、利用の際は注意が必要ですね。
盗難クレジットカード販売
Twitterで「盗難クレカ販売」と検索すると、かなりの数の販売アカウントがヒットします。
こういったアカウントは、バレる前にアカウントを削除し、また新しくアカウント解説することを繰り返し、商売を行っているようです。
こういった「盗難クレジットカード」を購入すると、クレジットカード本体が送られてくるのではなく、下記のクレジットカード情報を譲渡されるケースが多いです。
- クレジットカード番号
- 契約者氏名
- 有効期限
- 利用限度額
ネットショップでは、①から③までの情報があれば使えてしまう店舗も多いですから、これだけの情報でも不正利用は可能なのですね。
バレない程度の少額不正利用を繰り返すケース
最近のスーパーや小売店はサインレスで決済できる店舗が増えています。
サインレス決済が可能な店舗の条件は、以下の通りです。
サインレス決済のためのふたつの条件
①少額決済の場合
- スーパー3万円
- コンビニ1万円「サークルK」と「サンクス」は5千円が上限
②支払い回数は1回払いのみに対応
もし、盗んだクレジットカードで大きい金額の買い物をされた場合。
クレジットカード会社も常に契約者の利用歴をチェックしていますから、明らかに不自然な利用ということになれば、下記の対策をとることがあります。
- 契約者に「〇〇の利用について見に覚えはありますか?」などの連絡をする
- 一時的に契約者のクレジットカードをストップさせる
しかし、同じ不正利用でも少額利用の場合は、利用明細をチェックしても目立ちにくいため、クレジットカード会社も気づきにくい、という落とし穴があるのですね。
ネットショップ等に不正ログインされ、クレジットカードを不正利用される場合
いわゆる個人情報ろうえいというものです。
以前は、「怪しい海外サイトの利用は控える」のが自己防衛策でしたが、最近では下記の有名サイトでも、サイトに登録されているクレジットカードを使い、勝手にショッピングや決済をされるケースがあります。
- アマゾン
- 楽天
- ペイパル
上記サイトでの不正利用例ですが、高額のギフトカードなどをネットショップで勝手に決済されるケースがありました。
当然、利用者に決済完了メールが行くのですが、実際に利用者は高額ギフトカードなど買っていないので、
「スパムメールかな」
と、そのメールを無視、削除してしまいます。
ですがネットショップでは実際に買われていますので、クレジットカードの履歴にも載り、実際に引き落としもされてしまいます。
ネットショップの個人情報ろうえいに対する対策としては、下記の4つを必ず実行してください。
- 同じパスワードを使いまわさない
- パスワードは定期的に変える
- 購入履歴を度々チェックする
- 怪しい決済完了メールが来たら、ネットショップのカスタマーサポートにすぐ電話する
クレカそのものが盗まれなくても不正利用?フィッシングサイトやスキミングに注意
最近では、クレジットカード本体を盗むのでなく、クレジットカードの情報だけを盗むという犯罪が横行しています。
具体的な手口は下記の2つです。
①フィッシング詐欺
フィッシングサイトとは、既存のサイトにそっくりなニセモノのサイトを用意し、メルマガなどを装ってそのニセサイトにアクセスさせ、IDやパスワードを入力させることによって、あなたの個人情報を盗むという手口です。
いきなりECサイトから
- 「あなたのアカウントがリセットされました」
- 「あなたの登録情報がロックされました」
こういったメールが来た場合は、フィッシング詐欺の可能性があります。
URLのドメインなどをいまいちどチェックし、むやみにクリックしないことが大事です。
②スキミング
スキミングは、「スキマー」と呼ばれる、クレジットカードの磁気ストライプを不正に読み取る機械を使って、クレジットカード情報を盗むという手口です。
- クレジットカード番号
- 契約者氏名
- 有効期限
スキミングでは、上記の情報が盗まれます。
スキミングは、これまでは海外のレストランや土産物屋での被害が多かったのですが、最近はコンビニのATMのカード差込口にもセットされているケースがあります。
クレジットカードのスキミング。されるとどうなる?
スキミングするときに用いられる「スキマー」は、簡単に手に入れることができますので、近年急激に増えている犯罪と言えます。
それでは、スキミングで得たスキミングして得たクレジットカード情報は、何に利用されるのでしょうか。
それは、「偽造カード」です。
偽造カードを作って販売するのが目的です。
偽造クレジットカードの犯罪については、最近ですと、下記のニュースがありました。
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偽造クレジットカード 沖縄に密輸 容疑のマレーシア3人逮捕、起訴
偽造クレジットカード約50枚を海外から持ち込んだとして、沖縄地区税関がマレーシア国籍の男女3人を関税法違反の疑いで摘発していたことが18日までに分かった。
税関から通報を受けた県警は3人を不正電磁的記録カード譲り渡し(輸入)容疑で逮捕・送検。那覇地検は3人を同罪で起訴した。
起訴状によると、起訴されたのは3被告。
被告の一人は今年3月12日、シンガポール発の便で偽造クレジットカード10枚を、また別の2被告は同18日に台湾発の便で同様に偽造した34枚をそれぞれ持ち込もうとしたが、那覇空港の税関検査で不正輸入が発覚。
それぞれ4月3日と同9日に起訴された。
捜査関係者によると共犯者がもう1人別におり県外へ逃走している。
県警は、継続捜査中を理由に事件概要を明らかにしていない。
捜査関係者によると、3被告のスマートフォンのほか、カード偽造に使う機材も本島内の関係先から見つかり押収された。
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/561847
上記のニュースを見てもわかる通り、スキミング犯罪は複数人のチームによっておこなわれていることがほとんどです。
- スキマー設置担当
- 偽造クレジットカード作成担当
- 偽造クレジットカード販売担当
- 偽造クレジットカードを使用し、高額商品を購入する担当
- 偽造クレジットカードで購入した商品を転売する担当
全員がばらばらに行動しているので、警察の調査や追跡、検挙等も時間がかかることが多く、逮捕できる段階になる前にチームが解散していることも多いです。
ただ、2020年以降、すべてのクレジットカードが磁気ストライプではなくICチップ化されますので、スキミング被害は減っていくと見られています。
ICチップ化されたクレジットカードの情報は暗号化されて、偽造が難しいためです。
自分のクレジットカードを失くした・盗難にあった・スキミング被害にあったときにまず取るべき行動とは
「クレジットカードは盗まれていないけど、何かしらで情報を抜かれたらしい…」
「どこにも行っていないのに、家電製品店で買い物した履歴が残っている…」
こんなときは、すぐにご使用のクレジットカード会社のサポートデスクに電話をしましょう。
メールではダメです。
電話をかけましょう。
こういった緊急時のサポートデスクは24時間、365日受付をしていることが多いです。
VISAカードを例に取りますと…
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国内からであれば、直ちにカード発行会社に連絡して紛失または盗難の報告を行い、カード再発行の手続きを行ってください。
カードを紛失したり、盗難に遇ってしまったら、Visaグローバル・カスタマー・アシスタンス・サービスが、世界中どこでも年中無休24時間体制でお手伝いいたします。
24時間365日、日本語で対応しております。また、世界中ほとんどの観光都市からトールフリーダイヤルをご利用いただけます。
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https://www.visa.co.jp/support/consumer/lost-stolen-card.html
電話をすれば、これから取るべき行動を教えてもらえますし、緊急カードの発行もしてもらえますよ。
帰宅後になるべく早いタイミングで使用履歴を確認しよう
アメリカン・エクスプレス・カードやダイナーズは利用限度額がないので、これらのクレジットカードの取り扱いには特に注意が必要だ。
クレジットカードの盗難・スキミングに遭わないために。カード本体もカード情報も人に知られないことが大切!
クレジットカードの契約者を守るため、クレジットカード会社はセキュリティを万全に保つ努力はしていますが、正直、不正利用者とのいたちごっこ感は否めません。
「私のクレジットカード情報は常に狙われている」
つねに、この認識でいることが大事です。
そしてマメに利用履歴をチェックし、ちょっとでも怪しいと思ったらすぐにクレジットカード会社に報告をしましょう。
安全かつ便利に、クレジットカードを使いましょう!