資金繰りの失敗が引き金で多重債務や多額の負債を抱えた会社が返済対応に追われた結果、業績が悪化し破産するケースは残念ながら決して珍しいことではないと言えます。
債務整理の最終手段と言える破産手続きした場合、会社名義で負債を抱えられる事業規模が大きな会社は連帯保証しない限り負債の支払い義務を経営者が負うことはありません。
しかし中小・零細規模の会社は、経営者が負った負債を事業資金に活用することが少なくないので、資金繰りの失敗が経営者の自己破産に繋がるケースが少なくないのが実状です。
今回は、ファクタリングで失敗しないための資金調達や自己破産に関してわかりやすく解説していきます。
同じ破産でも法人破産と自己破産は債務整理としての位置付けが異なる
破産は債務整理の最終手段ですが、法人破産と自己破産は位置付けの異なる債務整理になり、破産手続き後の破産者の扱いや債務履行の範囲が大きく異なります。
破産すれば返済から解放されますが、自己破産すると破産後にさまざまな制限が生じるので、上手な資金繰りで破産を回避するために破産の仕組みを掴んでおくことは効果的です。
破産は法人・個人共に債務処理の最終手段!しかしさまざまな相違点が存在する
借入資金が返済不能になった債務者が裁判所に申立てし、管財人が債務者の保有財産を管理・換価し債権者に分配することで返済義務を解除するのが破産法で定める破産です。
破産手続きは法人・個人に関わらず行えますが、誰が申立てするかで次の三種類に分類されます。
- 自己破産:債務者自身が破産を申立てる破産
- 準自己破産:役員が自社の破産を申立てる破産
- 債権者破産:債権者が債務者の破産を申立てる破産
事業規模の大きな会社は会社名義の負債を抱えているので、役員が自社の破産を申立てる準自己破産に位置付けられ、一般的には法人破産と呼ばれます。
経営者名義の借入で資金繰りするケースが多い中小・零細規模の会社では経営者自身が破産申立てを行い自己破産して債務処理をするのが一般的だと言えます。
破産企業は解散・消滅するので全保有資産が債務整理に充てられますが、債権が未完済でも債務者の法人が消滅するので未完済の債権は債務法人の消滅と共に事実上消滅します。
自己破産の場合は個人が破産後も消滅しませんが、「債務者の経済的更生」を目的とする破産法では自己破産の手続き完了後の未完済債権は免責される制度を採用しています。
今回は個人名義での資金繰りに頭を痛める中小・零細規模の会社経営者にフォーカスし、次項からは自己破産を中心に解説していきます。
自己破産しても自由財産制度で必要最小限の財産は保護される
個人名義の負債の場合、資金繰りに行き詰って自己破産しても負債者が消滅しないので、経営者が負債返済の債務履行を求られ続けける可能性があります。
破産法は「債務者の経済的更生」を目的に施行されているので、個人の破産に対し次に挙げる必要最小限の財産が保護される自由財産制度を採用しています。
- 99万円以下の預貯金以外の資産
- 売却貨が20万円未満の動産資産や預貯金
- 衣類・洋服ダンス・寝具など差押え禁止の生活必需品
また自己破産の手続き開始後に発生した資産は免責の対象になるので、破産したからといって全財産が没収されるわけでないのが自己破産の特徴です。
自己破産すると発生する制約も存在する!自己破産した経営者が受ける制限とは?
自己破産すると資産価値の高いものは債務履行のために処理されますが、自由財産制度によって必要最小限の資産や生活必需品は保護されます。
しかし自己破産した債務者は一定の制限を受け活動が制約されるのも事実ですので、自己破産が最終手段として捉えるべき債務処理の方法なのは間違いないと言えます。
自己破産した破産者が受ける具体的な規制や活動の制限とは?
債務履行からは解放されますが自己破産した破産者は一定の規制や活動の制限を受けるので、やはり自己破産は債務整理の最終手段だと捉えるべきでしょう。
自己破産した破産者が受ける具体的な規制や活動の制限は次に挙げるとおりです。
- 債務履行のために保有資産の大部分が処分される
- 保証人が債務履行を求められる
- 信用情報機関のデータベースに登録される
- 自己破産情報が官報で公開される
- 職業や資格が制限される
- 郵便物受取りや転居・移動が規制される
債務履行のために保有資産の大部分が処分される
自由財産制度で必要最小限の資産は保護されますが、それ以外の保有資産は債務履行のために破産管財人の手によって処分されます。
具体的に処分対象になるのは
- 土地・建物などの不動産
- 99万円を超える現金
- 20万円以上の売却価が見込める車両・絵画・宝石などの有形資産
- 20万円以上の資産価値が見込める生命保険・売掛債権などの無形資産
- 20万円以上の預貯金類
などで、大部分の資産が処分の対象になると捉えるべきでしょう。
保証人が債務履行を求められる
自己破産した債務者は債務履行から解放されますが、債務履行義務が保証人や連帯保証人に移るので、保証人が負債の返済を強く求められる事態に陥ります。
保証人が「金銭トラブルに巻き込まれた!」と捉えるのは間違いないと言えるので、人間関係の悪化は避けようがなく社会的信用を失ってしまう結果になります。
信用情報機関のデータベースに登録される
自己破産は金融事故記録として信用情報機関のデータベースに記録され、全ての金融機関で共有されるので新たな借入やローンの審査通過が不可能となります。
カード会社は契約者の信用情報を定期的にチェックする途上与信を行うので使用中のカードも停止され信用取引が一切行えなくなり現金一括払いしか利用できなくなります。
信用情報機関の金融事故情報の掲載は5~10年なので、自己破産すると最長10年間は経済活動を規制されることになります。
自己破産情報が官報で公開される
自己破産した破産者の住所・氏名などの情報は政府発行の官報に掲載されるので、官報を目にした人には自己破産したことが知られてしまいます。
官報に目を通す人は限定的ですが、破産者情報を悪用する違法業者などからの連絡が増える傾向にあるもの事実で、新たな金銭トラブルに巻き込まれるリスクが生じます。
職業や資格が制限される
自己破産の手続き中は資格や認可が規制されるので、資格や認可が必要になる職業に従事できなくなります。
申立てが認められ自己破産すれば就業規制は解除されますが、手続き中は次の職業に従事できません。
- 証券会社外務員・旅行業者・宅地建物取引業者・建設業者・不動産鑑定士・土地家屋調査士・生命保険募集人・商品取引所会員・有価証券投資顧問業者・警備業者・風俗営業・質屋・弁護士・司法書士・弁理士・公証人・公認会計士・税理士など
郵便物受取りや転居・移動が規制される
自己破産の手続き中は全ての申立人宛郵便物の内容確認を管財人が行うので、郵便物は管財人に送付され郵便物受取りが規制されます。
また自己破産は管財事件になるので転居や長期の出張などには裁判所の許可が必要となり移動の自由が規制されます。
ファクタリングが原因での自己破産も!自己破産に繋がるファクタリングとは
借入せずに保有資産の1つ売掛債権を譲渡・売却し現金に置き換えるファクタリングは、効果的に資金繰りできる資金調達方法として急速に普及しています。
しかし魅力的なはずのファクタリングを利用したのが引き金となって自己破産するケースも発生していますので、自己破産に繋がるファクタリングについて紹介します。
自己破産に繋がる危険なファクタリングの正体は悪徳業者の偽ファクタリング!
貸金業者以外でも取り扱えるので非常に多くの業者がファクタリングに参入する状態で、なかにはファクタリングを装い違法融資を行う悪徳業者も存在します。
正式なファクタリングは貸金業法・出資法・利息制限法が適用されないので、返済や利息が発生しませんし無担保・無保証人で利用できる取引です。
しかし売掛債権を担保に融資するABL(アセット・ベースト・レンディング:資産担保融資)が存在するので、ファクタリングと混同されがちなのも事実です。
返済や利息が発生する取引は貸金業者しか取り扱えませんが、ファクタリングを装いABLと混同させて違法な無認可融資が行われているのが偽ファクタリングの実状です。
またファクタリングは譲渡した債権が回収不能になった際に利用者が買戻す必要のない償還請求権なしのノンリコースで取引されるのが一般的です。
しかし悪徳業者は買戻し義務のある償還請求権ありのウィズリコースで契約を結び、資金繰りに利用した売掛金を支払う会社の倒産で連鎖倒産し自己破産するケースもあります。
偽ファクタリングの法外な手数料で利用者が自己破産に追い込まれる
既述のとおり正式なファクタリングは融資ではないので業者は金利ではなく手数料で利益を得ますが、手数料は融資の関係法令の規制を受けないので上限が存在しません。
悪徳業者がファクタリングを装った違法融資を行うのには、ファクタリングを装うことで年利15~20%に定められた法定金利以上の利益を得られることも大きく影響しています。
自己破産に追い込まれた利用者は正式なファクタリングのシステムを知らず、「新しい効率的な資金調達手段」のイメージだけで偽ファクタリングを利用したケースが一般的です。
また売掛債権を持たない個人に対する個人向けファクタリングとして、勤務先から支払われる給与を受け取る権利を債権に位置付けた給与ファクタリングが存在します。
給与ファクタリングは法定金利を大幅に超える法外な手数料を請求する悪徳業者が取り扱うケースが多く、給料ファクタリングが原因で自己破産するケースも発生しています。
融資に位置付けられたことで個人向けファクタリングの手数料は法定上限金利の規制を受けることになり、自己破産に繋がるような法外な手数料には出資法違反が適用されます。
ファクタリングを装った偽ファクタリングは浄化される傾向にありますが、悪徳業者は非常に巧妙に正式なファクタリングを装うので資金繰りの際には十分な注意が必要です。
正式なファクタリングの上手な利用で自己破産は回避できる!
自己破産に繋がるのはファクタリングを装った偽ファクタリングを利用したケースが圧倒的多数で、正式なファクタリングの利用には自己破産に繋がるリスクがありません。
また正式なファクタリングを上手に利用することで自己破産を回避することも不可能ではないので、正式なファクタリングの利用で自己破産を回避できる仕組みを紹介します。
キャッシュフローを悪化させる未回収リスクの処分で資金繰りするファクタリング
売掛債権は資産に計上されますが、現金のようにすぐ事業資金に転換することができないので流動性の悪い厄介な資産に位置付けられます。
また万一売掛金を支払う会社が倒産すると債権が回収不能になる未回収リスクを含んでいる点も、売掛債権が厄介な資産として扱われる原因に繋がります。
融資を利用して借入すると流動性の高い現金を手に入れられますが、融資は利用者の債務なので自己破産のリスクが潜んでいると言えます。
既に紹介したとおりファククタリングはノンリコースで保有債権を譲渡・売却する資金調達手段なので、キャッシュフローを悪化せる売掛債権を処分して現金を手に入れられます。
会社の評価が高ければ仮に融資を利用する場合でも、より金利を抑えられる好条件での融資審査通過の実現が期待できます。
借入資金には自己破産のリスクがありますが、設備投資などの事業資金は長期返済・低金利で利用できる融資の活用が効果的なので好条件で審査通過できるのは非常に重要です。
自己破産を回避する上手な資金調達は、即応性が必要な少額・中額の資金繰りにファクタリングを活用し、返済期間が長く高額な事業資金には融資を利用することだと言えます。
情報社会の現代を自己破産せず乗り切るのには正確な資金繰り情報の確保が肝心!
自己破産は債務履行から解放されますが経営経歴に大きなダメージが生じるので、絶対に避けたい債務整理だと言えます。
自己破産を回避するのには常に最も有利な資金繰りの実現が求められますが、さまざまな資金調達手段が考案されるので最も有利な資金繰り手段が変化していくのも事実です。
自己破産は回避可能!失敗しないファクタリングでの資金調達とは?
- 悪徳業者の偽ファクタリングは法外な手数料!
- キャッシュフローを悪化せる売掛債権を処分して現金を手に入れる
- 自己破産しても必要最小限の財産は保護される
現金化専門情報サイト「俺LOVE現金化」は、ファクタリング以外にも効果的な資金調達手段の最新情報の提供を行っています。
ファクタリングは現状最も効果的な資金調達手段だと言えますが、変化の激しい資金調達市場では新たに効果的な資金繰りが登場することも十分予想できます。
資金繰りの際には俺LOVE現金化の掲載情報をチェックして最も有利な資金繰りを実現してください。